アレルギー性結膜疾患について

アレルギー性結膜疾患について
アレルギー性結膜疾患とは、目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす原因物質)が付着して、結膜に炎症を起こす病気で、かゆみや充血、めやに、流涙などの症状が現れます。

アレルギー性結膜疾患の分類と原因物質
主に花粉などが原因の特定の季節にのみ症状があらわれる季節性アレルギー性結膜炎と、一年中症状がみられる通年性アレルギー性結膜炎に分類され、他に、顔にアトピー性皮膚炎を伴う人に起こるアトピー性角結膜炎、重症のものでは、若年者に多くみられる春季カタル、汚れたソフトコンタクトレンズなどを使っている人に見られる巨大乳頭結膜炎があります。

アレルギーを引き起こす原因物質としては、主にスギ花粉(時期:2~5月)、ヒノキ花粉(時期:3~5月)、カモガヤなどのイネ科花粉(時期:5~8月)、ブタクサなどのキク科花粉(時期:8~10月)、ハウスダスト(チリ、ホコリ、ダニ、カビなど)(1年中)、動物の毛(1年中)、コンタクトレンズの汚れ(1年中)などがあります。

アレルギー性結膜炎における日常生活の注意点

出来るだけアレルゲンに触れないようにすることが大切です。

季節性アレルギー性結膜炎の方は (1) 花粉情報の活用(多い日は外出しない)(2) 花粉防御用メガネをかける (3) コンタクトレンズの装用を中止する(せめて1dayで)(4) 人工涙液による洗眼 (5) 冷罨法(冷やす)(6) 外出時の衣類はなるべく花粉が付着せずすべり落ちやすい生地にする などに注意をすると症状を和らげることができます。
通年性アレルギー性結膜炎の方は、(1)ハウスダストの除去(空気清浄機や掃除機などをうまく活用し、常に室内を清潔にすることや、ダニなどが増殖しにくいように、部屋の室温を 20℃以下、相対湿度 50%に保ち、通気をよくするように心掛ける)や
(2)寝具はこまめに天日干しを行う(3) コンタクトレンズの装用を中止する(せめて1dayで)(4) 人工涙液による洗眼 (5) 冷罨法(冷やす)ことなどに注意をすることが大切です。

アレルギーの原因物質を調べる方法としては、皮膚をこすって原因の候補となる物質の抽出液をのせ、その部分が赤くなるかを見るスクラッチテストや、
血液の中にアレルギー反応を起こす物質があるか調べる血液検査などがあります。
アレルギーの原因物質は人によって異なるため、検査を受けて自分のアレルゲンを知っておくことも大切です。

アレルギー性結膜疾患の治療

主に点眼薬を用いて、かゆみの症状を軽くします。

治療には、主に抗アレルギー点眼薬(メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬)を用い、重症例ではステロイド点眼薬を用いますが、眼圧上昇などの副作用が出現することがあります(特に若年者)ので、使用期間中は定期的に眼圧検査などの診察を受けて頂く必要があります。
また春季カタルでは、免疫抑制点眼薬を用いたり、状況に応じてステロイド眼軟膏や、鼻炎との合併例では内服薬を使用したりします。

初期療法について
毎年同時期にひどい花粉症に悩まされているような方は、初期療法といって花粉が飛散し始める約2週間前から抗アレルギー点眼薬を開始することで、症状の発現を遅らせたり、症状のピークを軽くしたりすることが出来ますので、症状が現れる前に早めに受診することをお勧めします。

2018年07月18日